そのための指標が、資源生産性、エネルギー生産性、炭素生産性です。 図表三をごらんください。 主要国のエネルギー生産性を比較した環境省の資料です。 左の名目ベースのグラフは、各国間を比較するのに有効です。これを見ると、約二十年前は世界最高レベルのエネルギー生産性だったのが、今やアメリカに次いで下から二番目です。 右の実質ベースのグラフは、同じ国の経年変化を見るのに有効です。
エイモリー・ロビンス、それからハンター・ロビンスとワイツゼッカーの共著で「ファクター4」という本があるわけですけれども、エネルギー生産性を四倍にし物質生産性を四倍にすれば、私たちは今使っているエネルギーの半分で二倍の豊かさを享受できるというようなことを言っているわけですが、現実にこういうことができるとわかっていても、少なくとも日本の住宅行政などで積極的な対策がとられていないような気がします。
また、コージェネレーションの問題でございますが、エネルギー生産性が日本の場合極めて低いわけでございます。エネルギー生産性からいいますと、一次エネルギー源の三割強が使われるけれども、七割弱は大気中にそのまま放出されてむだになり、かつ大気汚染、地球温暖化の原因をなしているということでございます。これなどもぜひ優先的に、現に失われている資源ですから進めるべきだろうと思うわけでございます。
むだに使っているエネルギーをできるだけ使わなくするという意味の省エネルギーというのはもちろん大切でございますけれども、エネルギーの持っている価値をできるだけ有効に使っていくという、今お話しのエネルギー生産性とでも申しましょうか、言葉を変えて言うとエネルギー使用効率、これを上げていくということが大変大切なことでございます。
と申しますのは、よく原子力発電の燃料でございますウランと例えば石油、石炭のようなものを比較した場合に、ウランのエネルギー生産性、例えばウラン一キログラムと石炭一キログラムを比較した場合に、そこから引き出すことが可能なエネルギーの量と申しますのは、石炭に比べましてウランは何百万倍も高いのだということが原子力の特徴として指摘されることがございます。